石田伸哉(株式会社コスモの本 代表)

このさわやかな装丁の本のなかで、玉城ちはるは自分の生きてきた軌跡をやさしい言葉で書き綴っています。プロの歌手であること、ソングライターであること、ホストマザーとして生活すること、平和のイベントを行うこと。どれも大変なエネルギーが必要ですが、玉城ちはるは、全くの自然体でこれらの活動をこなしているようにも感じられます。

街でストリートミュージシャンを見かけると、家に連れ帰ってご飯を食べさせるお父さん。そんなお父さんをしっかり支えるお母さんは、いつも台所やベランダで自作の歌を歌っている。その両親から受け継いだDNAと家族の環境が、玉城ちはるの現在をつくっているのでしょう。

いま、この本『風になれば』と新たなCDアルバム『ひだまり』を世に問うことで、玉城ちはるは新たな一歩を踏み出そうとしています。一歩ずつ着実に歩みながら、表現者としてより高い境地を目指してほしい。まだまだ大きな可能性があるから。そう思わずにはいられません。