村上顕一(グラフィックデザイナー)

初めて玉城ちはるのステージを見たのは、下北沢でのイベントだった。
何人かのミュージシャンとのジョイントライブだったが、圧倒的な声量と存在感で抜きんでていた。
客や共演者をいじりながら笑いを誘い、気がつくと、そこにいる全員が彼女のペースに巻き込まれてゆく。
不思議な引力を持っている人だな、というのが第一印象だった。
まるで太陽のように光り輝き、周りを照らし出す。

本書の装丁に関わり、何度か打ち合わせを重ねたが、彼女のバイタリティに圧倒されっぱなしだった。
それに負けないよう、こちらも最大限の努力をする。
そんなふう に、知らず知らずのうちに、玉城ちはるの世界に巻き込まれていった。
僕ら制作者は、彼女の引力に引っぱられて回る惑星のようなもの。
やはり彼女は太陽のような存在なのだと改めて思った。
別の表現をするなら、ブラックホールのように、すべてを巻き込み、呑み込んでゆく存在とも言える(笑)。

その引力の源泉は何なのか。
答えはこの本の中にある。