清水麻央(ライター)

日常生活における面倒なあれこれ。「しようがない」「こんなものだ」とすぐにあきらめる人は多い。
『風になれば』を読んで、私はこのあきらめぐせから少し脱出できてきたように思う。

ページをめくると、悩み、苦しみ、悲しみ、日々の葛藤を懸命に解決しようと全力で走り続ける玉城ちはるがいる。
本のなかに「自分と向き合うために人と向き合います」という文章があるが、彼女は歌とおなじくらい人が大好きなのだ。

自分とばかり向き合っていても何も変わらない。それどころかおかしなスパイラルに入ってしまうだけ。
ほんの少し勇気を出して真正面から人と向き合えば、思いもしない喜びを生んでくれることだってある。
めんどくさい、は禁句だ。

小さな幸せはいつだって近くにあるんだよ。それをもう少しだけ大きな幸せにできるかどうかは、あなた次第だよ。
そんなことを彼女から教えてもらった気がする。