土橋一夫(FLY HIGH RECORDS/Surf's Up Design)

過去と真っ直ぐに向き合うこと、それは楽しいこともある反面、様々な想いと共に辛く苦い感情も甦えらせるという行為に他ならない。
生きていく上での「楽しいこと」と「辛いこと」の比率を自分なりに考えてみると、これまでの経験からすれば恐らく4:6または3:7ぐらいで「辛いこと」の方が多かった気がする。しかし少数派の「楽しいこと」から得た経験値が、明日へと歩む力になり、もう一度あの感じを味わいたいから僕らは敢えて茨の道を進むこともある。もちろん「辛いこと」から得た教えも、決して無駄にはならないはずだ。

玉城ちはると出会って、一緒に様々なことをしていく中で、「何て不器用な生き方をする人なんだろう」と思った。もしかしたら避けて通れることでも、敢えて避けずに前をむいて進み、そして傷付く…そのくり返しだ。しかし傷付いたり大変な想いを経験した分だけ、確実に未来へと歩を進めている。そしてその代償として、お金では決して手に入れられない多くの味方がつき、彼女をサポートしてくれている。

この本には、そんな彼女のこれまでの歩みが自身の言葉で綴られ、一杯詰まっている。
読めばきっとここから新たな想いと、明日を生きる原動力が生まれるはずだ。僕はそう、信じている。

明るく華やかで向日葵のようだと称される彼女と、背中合わせに想いを募らせるもう1人の玉城ちはる。その両方があってこそ、アーティストとしての煌めきは増すものだ。