『千年物語』

2014年にテイチクからメジャーデビューアルバム『私は生きてる』をリリースし、その後は結婚・出産を経て、さらに著書『餃子女子』の発表で音楽シーンのみならず、多彩に活動する玉城ちはるが放つ新曲「千年物語」は、玉城ちはるの作詞、また彼女のこれまでの作品にも参加してきた福由樹子の作曲・編曲で完成した書き下ろしナンバー。

また演奏面では新進気鋭のギタリスト外園一馬をはじめ、ベーシストの千ヶ崎学(KIRINJI)、さらに弦楽器などを配し、スケールの大きさと人々への愛を感じさせる素敵なナンバーに仕上がりました。これまでの玉城ちはるのファンにはもちろん、様々な世代にアピールできる新たなスタンダード・ナンバーの誕生です。

プロダクション・ノート◆玉城ちはる
曲を書くにあたって中津川の加子母村へと足を運びました。国有林を視察させてもらい、ヒノキを守り続ける山守の子孫でもある内木さんにお会いしました。それは名古屋城の本丸御殿修復工事にはたくさんの木曽ヒノキが使われていると伺ったからでした。木曽の山奥を訪ねると、そこには空にも届くほどの高さのヒノキが生い茂っていました。豊富な森林資源に恵まれたこの地も、かつては尽山と呼ばれ木が枯渇した時代があったそうです。聞けば、ヒノキを再生させようと、先人たちが努力を重ねた結果が今の豊かな山々につながったそうです。植えてから木材として使えるように成長するまでに300年はかかるとされるヒノキ。ヒノキを守る内木さんからただ植林するだけでなく自然の力で育ててゆくという気の遠くなるような壮大な話を囲炉裏を囲みながら聞きその生き方にロマンを感じました。

1945年5月14日の戦禍を逃れたガラス乾板や障壁画。それを守った人々がいます。そして本丸御殿復元に携わる職人さんの数々。私たちが今見ている名古屋城もその昔再建した人々がいて今があります。裏木曽山の稜線を眺めながらこの先100年200年と時を超えて本丸御殿を眺めるであろう人びとがいる。本丸御殿復元に携わっているという誇りとともに作業する職人さんたちの生き方もまたロマンだなあと私は感じました。長い人生の中で自分が死んだ後も残ってゆく、そういったものを残せる生き方を私はしているだろうか? ふとそんなことも思いました。ヒノキには美しい年輪が刻まれています。人間にもまた人それぞれ生き方が見えるようなシワが刻まれて行きます。やがては風に消えてゆくそんな命を誰しもが大切にして今日を生きてゆく。そんな人々が今を守って生きてゆくからこそ未来へと続いてゆく、100年、200と時を超えて、そして1000年先まで続いてほしいという願いも込めてこの曲を作りました。

発売日:2016年10月5日
価格:926円(税抜)+税
発売元:FLY HIGH RECORDS
規格番号:VSCF-1761(FRCD-051)
形態:12cm CD

1:千年物語
2:千年物語(Instrumental)

参加アーティスト:
福 由樹子(Piano)
外園 一馬(Acoustic Guitar)
千ヶ崎 学(Wood Bass)
中北 裕子(Percussion)
藤堂 昌彦(Violin 1)
徳永 友美(Violin 2)
坂口 弦太郎(Viola)
徳澤 青弦(Cello)